イタリアの革業界で「バケッタ」とは、植物の渋成分でなめされた植物なめし革の総称です。ベジタブルタンニンレザーとも呼びます。植物なめしの革はイタリアには数多くありますが、その中でミネルバボックスは、なめしの工程で牛脚の固形脂を大量に投入することが特徴です。この脂は浸透するまでに非常に時間がかかりますが、その分オイルたっぷりの革ができあがります。オイルたっぷりの革は乾燥しにくいため、時間が経ってもひび割れを起こしづらく、深い飴色に変化し、革のコシを保ったまま少しずつ柔らかくなっていきます。
ドラムという巨大な洗濯機のような機械に革を入れ、回転させることで中の突起物にぶつけ繊維をほぐし、柔軟さを生むと同時に、革にシボ(革表面の皺)を出す空打ちという工程を行うことも特徴です。型押しのシボと違い、部位によって現れ方が違いますが、この自然なシボは素朴で風合い豊かな革の証です。
ヌバックとは、革の表面(銀面)を擦り、少しだけ起毛させた独特の革です。本来そのまま使用できる銀面をあえて擦るという手間を加えることで、エレガンスな風合いを持たせた高級皮革です。
革の裏面(床面)を起毛加工したものはスウェードと呼ばれます。また、床面をより深く起毛させたものをベロアと呼びます。しっとりしているスウェードやベロアの手触りに対して、ヌバックはサラサラしています。また、指でなぞった箇所だけ起毛部分が寝るため、そこだけ色が変わるのも特徴です。光の受け方によっても色の見え方が変わるため、革にベルベットのような色合いが生まれます。
ヌバックは革の断面(コバ)の処理が難しく、通常はヘリを返して縫いこむヘリ返しという方法が使われます。アヤメアンティーコでは、コバを塗って仕上げるコバ塗りというひとつ上の技法を使用し、さらにその上から丁寧に磨いています。このコバ塗りを美しく仕上げることができるのは、日本の熟練職人ならではの技術と言えます。
ベルベットのような独特の色合い。
手触りはサラサラしています。
処理が難しいヌバックのコバを、
綺麗に塗り上げる熟練の技。
ヌバックもエイジングすると
少しずつ美しいツヤが出てきます。
日本のものづくりの丁寧さは、他に類を見ません。革の裁断や縫製、そして金具の製造まですべての現場で、一流の職人が自分の仕事に誇りを持ち、命をかけているからです。熟練職人の仕事場では、交わされる会話はごく少ないものです。しかし現場には、世界一の仕事をする、という職人の情熱に溢れています。手元に集中し、黙々と作品を仕上げていくその姿は、不思議な美しさを感じます。熟練と呼ばれるまでには、非常に長い年月の技術研究や修練、そして忍耐が必要です。しかし長年培われた緻密な技術と、豊富な知識を基礎とする日本の熟練職人の仕事は、世界が憧れる作品を生み出します。アヤメアンティーコでは、こうした作り手の顔が見えるよう、色々な現場を紹介をしています。一般的には見ることのできないものづくりの現場から、様々な情報と情熱の込められた製品をお届けします。
ただ今アヤメアンティーコでは、ご希望の方にギフト包装をご用意しております。
記念日やイベントなど、大切な方へのプレゼントで素敵なシーンが演出できるよう、
ひとつずつ丁寧にリボンラッピングし、オリジナルのショッピングバッグを添えてお届け致します。
- ※ギフト包装をご希望の場合は、
購入画面を進んだページの「ラッピング等」という項目の中からお選びください。
■ サイズ(外寸) | / | 縦:65mm 横:185mm 厚さ:30mm |
■ 重量 | / | 約60g |
■ スペック | / | ファスナー式ポケット×1 |
■ 素材 | / | 本体:ミネルバボックス 内装:ヌバック 日本製 |